安全性
ファクタリングの運営会社情報|24社の開示状況を調べた
ファクタリング会社を選ぶとき、手数料や入金スピードの前に確認しておきたいことがあります。その会社が誰なのかです。
金融庁は、貸金業登録を受けていない者がファクタリングを装って貸付を行っている事案が確認されているとして注意を呼びかけています。相手が実在の事業者かどうかを利用者側で確かめられるかは、契約前の入口にあたる確認です。
このページでは、当サイト掲載24社について運営会社の情報がどこまで公開されているかを6項目で集計しました。結論から言うと、6項目すべてを公開しているのは11社です。そして集計の過程で、項目数よりも重要な違いが見つかりました。
集計のルール
数えた項目は次の6つです。いずれも会社概要ページに載っていることが多い基本情報で、利用者が第三者照合に使えるかという基準で選びました。
- 法人名(運営会社の正式な商号)
- 所在地
- 法人番号
- 代表者名
- 資本金
- 設立年
母数は掲載24社。各社の公式サイトの確認日は、19社が2026年7月29日、2026年8月27日に追加した5社が同日です。公開されている情報の有無を数えたものであって、各社の信頼性を評価したものではありません。
結果|6項目すべて公開は11社
| サービス | 法人名 | 所在地 | 法人番号 | 代表者 | 資本金 | 設立年 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AGビジネスサポート | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| Easy factor | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| labol(ラボル) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| QuQuMo(ククモ) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| RFD | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| エスコム | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| ペイトナー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| ペイブリッジ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| ベストファクター | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| 株式会社No.1 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| 財務再生支援センター | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 6/6 |
| トラストゲートウェイ | ○ | ○ | ○ | — | ○ | ○ | 5/6 |
| ネクストワン | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | — | 5/6 |
| ファクネット | ○ | ○ | ○ | — | ○ | ○ | 5/6 |
| メンターキャピタル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | — | 5/6 |
| レバンタ | ○ | ○ | ○ | ○ | — | ○ | 5/6 |
| besus | ○ | ○ | ○ | — | — | ○ | 4/6 |
| CoolPay(クールペイ) | ○ | ○ | ○ | ○ | — | — | 4/6 |
| DMCファクタリング | ○ | ○ | ○ | ○ | — | — | 4/6 |
| KENSHINファクタリング | ○ | ○ | ○ | ○ | — | — | 4/6 |
| KISマネジメント | ○ | ○ | ○ | — | — | — | 3/6 |
| OTTI(オッティ) | ○ | ○ | ○ | — | — | — | 3/6 |
| 資金調達本舗 | ○ | ○ | — | — | — | — | 2/6 |
| プロテクトワン | ○ | — | — | — | — | — | 1/6 |
項目別に見ると、こうなります。
| 項目 | 公開している社数 |
|---|---|
| 法人名 | 24/24 |
| 所在地 | 23/24 |
| 法人番号 | 22/24 |
| 代表者名 | 17/24 |
| 資本金 | 15/24 |
| 設立年 | 15/24 |
最も欠けやすいのは資本金と設立年で、いずれも24社中15社の公開にとどまります(旧掲載19社の時点では設立年が単独で最下位でしたが、第1波の5社を加えた集計では資本金と同数になりました)。**設立年や資本金が非公開であること自体は珍しくありません。**過半数は公開していますが、していない会社も資本金・設立年それぞれ9社あります。これだけを理由に避けるべき、とは言えません。
「開示していない」と「照合できない」は違う
ここが、集計して分かった一番重要な点です。項目数の多寡より、第三者照合ができるかどうかのほうが効きます。
開示は少ないが、照合はできる例
OTTI(オッティ)は3/6で、設立年・資本金・代表者名を公表していません。数字だけ見れば下位です。
しかし国税庁の法人番号公表サイトでは、法人番号8010501042722として商号と所在地(東京都台東区東上野3丁目10番5号)の一致を確認でき、指定年月日が平成30年6月18日であること、平成30年12月6日に同じ東上野内で本店を移した記録まで公表されています。
つまり**「この会社は実在し、いつから登記があり、どこに移転したか」までは利用者側で追える**状態です。公開項目は少なくても、確認の手段は残っています。
照合そのものができない2社
一方、下位2社は状況が異なります。
プロテクトワン(1/6) — LPのフッターには「プロテクト・ワンについて」「会社概要」「お問い合わせ」などのリンクが並んでいますが、**これらのページが開きません。**結果として運営会社の所在地・設立年・資本金・代表者は公表資料から確認できませんでした。国税庁の法人番号公表サイトで商号の近い法人を検索すると、東京・福岡・新潟・兵庫などに「プロテクトワン」を名乗る法人が複数あります。照合できる所在地の記載がサイト側にないため、どれが運営会社なのかを特定できません。
資金調達本舗(2/6) — 設立年・代表者名・資本金の記載がありません。公式サイトは所在地を「東京都港区青山3-5-2」としていますが、国税庁の法人番号公表サイトで東京都の「M&H」を部分一致検索すると50件がヒットするものの、**この所在地と一致する法人は確認できませんでした。**港区に登記のある「株式会社M&H」は1件で、その所在地は港区赤坂2丁目です。
**この2社について、問題があると述べているわけではありません。**当サイトが2026年7月29日時点で公表資料を確認した範囲では実在の照合ができなかった、という事実を記録したものです。記載が更新されている可能性もあります。
ただし利用者の立場で言えば、契約前に相手の実在を自分で確かめる手段がないというのは、設立年が書かれていないこととは質の違う話です。金融庁が「業者の実在性を確認する」ことを求めている以上、ここは確認できる状態にあるかどうかで見るべきところです。
なぜ法人番号と所在地の組み合わせが効くのか
国税庁の法人番号公表サイトは、誰でも無料で商号や所在地から法人を検索できます。表示されるのは商号・本店所在地・法人番号の指定年月日で、商号変更や本店移転があればその履歴も残ります。
だから確認に必要なのは、実は**法人番号そのものではなく「正確な商号と所在地」**です。公式サイトに法人番号が書かれていなくても、商号と所在地が分かれば自分で引けます。逆に所在地が書かれていなければ、同名法人が複数あったときに特定できません。
**プロテクトワンが1/6で最下位になっているのは、法人名しか公開していないためです。**同名法人が複数存在する以上、法人名だけでは照合の起点になりません。
履歴が残る点も実用的です。たとえばペイトナーは、国税庁の変更履歴に2022年1月26日にyup株式会社から現在の商号へ変更した記録が残っています。過去の評判を読むときに、それが商号変更前の情報かどうかを判断する材料になります。
設立年が非公開でも、法人番号の指定年月日で代替できる
6項目のうち最も欠けやすいのは資本金と設立年(ともに15/24社)でしたが、設立年のほうは法人番号があれば実質的に代替できます。
法人番号公表サイトには、その法人に法人番号が指定された年月日(指定年月日)が表示されます。法人番号は法人の設立登記に伴って指定されるため、指定年月日は「少なくともこの時期には登記が存在した」ことを示します。
これが実務でどう効くか、2つの例で見てみます。
**設立年が公開されている場合は、突き合わせて検証できます。**ラボルは設立を2021年12月1日と公表しており、法人番号7010901049921の指定日は2021年12月3日です。**2日差で整合しています。**公表している設立日と登記の記録が食い違わない、という確認がここで取れます。
設立年が非公開でも、下限は分かります。OTTI(オッティ)は設立年を公表していませんが、法人番号8010501042722の指定年月日は平成30年6月18日と公表されています。つまり2018年6月には登記が存在したことが分かります。「設立年が書かれていないから何も分からない」ではありません。
このため、設立年の欠落は法人番号と所在地がそろっていれば実務上の影響が小さい項目です。逆に言えば、法人番号を特定できない状態では、設立年の欠落を埋める手段もなくなります。ここでも効いてくるのは、やはり照合できるかどうかです。
代表者名だけは、外部で代替できない
設立年が法人番号で代替できる一方、代表者名は代替が効きません。
国税庁の法人番号公表サイトに表示されるのは商号・本店所在地・法人番号・指定年月日と、その変更履歴です。**代表者名は含まれません。**したがって公式サイトに書かれていなければ、利用者が無料で調べられる範囲では分からないままになります(登記事項証明書を取得すれば確認できますが、手数料と手間がかかります)。
当サイトの集計では、代表者名を公表していないのは7社でした。6項目の中で、公開されていないと確認手段が実質的に途切れるのはこの項目です。設立年や資本金の欠落より、こちらのほうが照合の観点では重く見る余地があります。
親会社・資本関係の開示
もうひとつ、6項目に入れていない開示があります。親会社や資本関係の明示です。
掲載24社のうち、上場企業との資本関係を明示しているのはラボル1社でした。同社はトップページに東証プライム上場の株式会社セレスの子会社である旨を記載しています。
ただしこれは**確認材料のひとつであって、契約条件の妥当性を保証するものではありません。**親会社が上場企業でも、手数料の水準や償還請求権の有無は個別に確認する必要があります。実際、当サイトの集計ではラボルの手数料は一律10%で、掲載24社の公表上限の中央値と同水準です。資本の裏付けと料率の有利さは別の話だ、ということです。
自分で確認する手順
- **公式サイトの会社概要ページを開く。**そもそもページが存在するか、開けるかを見る
- **正式な商号と所在地を控える。**サービス名と運営会社名が違うことは珍しくありません
- **国税庁の法人番号公表サイトで検索する。**商号と所在地が一致するかを確認する
- **一致しない場合、その理由を問い合わせる。**移転直後やビル名の表記揺れなど、説明がつくこともあります
- **履歴も見る。**商号変更・本店移転があれば表示されます
この手順で分かるのは実在と登記の状態までで、**契約条件の妥当性は別に確認する必要があります。**手数料をどこまで公表しているかは手数料を公表している会社は何社か、回収できなかったときに誰が負担するかはファクタリングの償還請求権とは、審査と契約で必要になる書類はファクタリングの必要書類は何点かにそれぞれまとめました。
違法・悪質な業者の手口そのものと、トラブルに遭ったときの相談先は違法・悪徳ファクタリング業者の見分け方で扱っています。
この集計の限界
3点ことわっておきます。
**1. 公開の有無を数えたものです。**内容の正確性を検証したものではありません。公開されている設立年や資本金が正しいかどうかは、この集計の範囲外です。
**2. 6項目そろっていることは安全性を意味しません。**開示が十分でも、手数料や契約条件が妥当とは限りません。金融庁も、ファクタリングが貸金業に該当するかは形式的な要素だけでなく経済的側面や実態に照らして判断されるとしています。開示状況は入口の確認であって、結論ではありません。
**3. 各社の確認日時点の状態です(19社は2026年7月29日、2026年8月27日に追加した5社は同日)。**企業サイトの記載は更新されます。会社概要ページが一時的に開けなかっただけ、という可能性も否定できません。当サイトは各社のページに公式サイトを確認した日付を記載していますので、申し込み前には最新の表示をあわせてご確認ください。当サイトの調査方針と運営者情報は運営者情報に記載しています。
よくある質問
ファクタリング会社の運営会社情報は、何を確認すればいいですか?
最低限、法人名・所在地・法人番号・代表者名・資本金・設立年の6項目です。当サイトが掲載24社を集計したところ、この6項目すべてを公開しているのは11社でした。とくに重要なのは所在地と法人番号で、この2つがそろっていれば国税庁の法人番号公表サイトで商号と所在地の一致を無料で確認できます。逆にこの2つが欠けていると、その会社が本当に存在するのかを利用者側で確かめる手段がなくなります。
設立年や資本金を公開していない会社は避けるべきですか?
それだけを理由に避けるべきとは言えません。当サイトの集計では、設立年を公開しているのは24社中15社、資本金も15社にとどまります。公開していないこと自体は珍しくありません。より重要なのは、公開されている情報で第三者照合ができるかどうかです。設立年や資本金が非公開でも、商号と所在地が国税庁の登録と一致していれば実在の確認はできます。判断は項目数ではなく、照合可能かどうかで行ってください。
法人番号はどうやって調べればいいですか?
国税庁の法人番号公表サイトで、商号や所在地から無料で検索できます。ファクタリング会社の公式サイトに法人番号が書かれていなくても、正確な商号と所在地が分かれば自分で調べられます。検索結果には商号・本店所在地・法人番号の指定年月日が表示され、商号変更や本店移転があればその履歴も残ります。公式サイトの記載と登記上の情報が食い違う場合は、その理由を問い合わせる材料になります。
「開示していない」と「照合できない」はどう違いますか?
公開している項目が少なくても、商号と所在地が国税庁の登録と一致すれば実在は確認できます。これが「開示は少ないが照合できる」状態です。一方、所在地の記載がない、あるいは記載された所在地と一致する法人が国税庁の登録に見当たらない場合は、利用者側で実在を確かめる手段がありません。これが「照合できない」状態です。当サイトの集計では、後者に該当する会社が24社中2社ありました。契約前の確認という観点では、この違いは項目数の差より重要です。
運営会社が上場企業の子会社なら安心ですか?
資本関係は確認材料のひとつですが、それだけで契約条件の妥当性が保証されるわけではありません。手数料の水準、償還請求権の有無、契約書の内容は運営会社の規模とは別に確認する必要があります。金融庁も、ファクタリングが貸金業に該当するかは形式的な要素だけでなく経済的側面や実態に照らして判断されるとしています。運営会社の開示状況は入口の確認であって、契約条件の確認はその先の話だと考えてください。
この集計はいつ時点のものですか?
各社の公式サイトを確認した結果にもとづいています(確認日は、掲載24社のうち19社が2026年7月29日、2026年8月27日に追加した5社が同日です)。企業サイトの記載は更新されるため、現在の状況とは異なる場合があります。当サイトは各社のページに公式サイトを確認した日付を記載していますので、あわせてご確認ください。また、この集計は公開されている情報の有無を数えたもので、各社の信頼性や契約条件の妥当性を評価したものではありません。